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改めまして、劇団パッセ旗揚げ公演にお越しくださいました皆様に、深く感謝申し上げます。
演劇を初めていつの頃からか、自分で企画した公演を打ってみたいと思うようになりました。
昨年、時を同じくしてお世話になっている方々から「そろそろ自分で企画した作品をやってみたらどうだろう」と話をしていただくことが重なり、すっかりその気になった私は、猪突猛進してしまったのでありました。
こうして公演が終わってみますと、役者という立場からだけでなく、主宰や制作というサイドから演劇や、役者さん・スタッフさん達と取り組んだこの度の興行は気づきの多い大事な日々となりました。
今回取り組みましたアルベール・カミュ「誤解」は、1944年にパリ・マチュラン座でマリア・カザレス、マルセル・エランらによって上演されました。
私がカミュを初めて読んでから(確か異邦人だったと思いますが…)5年ほどでしょうか。
シーシュポスの神話は、今ではバイブルのような1冊です。
自分とカミュが特に近く感じられたのは、3.11の後に読んだ「ペスト」がきっかけでした。
読書には自分と本との出合うべきタイミングがあるように私は思うのですが、そういうものが諸々フィットした感じがします。
誠実に、訥々と、やるべきことに取り組む、そういうスタンスが自分の望みの在り方と重なったように思います。
少人数でのお芝居が初めてだったので稽古場の雰囲気がどうなるのか顔合わせまで未知でしたが、みなさんとていいオーラを纏っていらして、⦅役者さんだー…⦆とファンさながら稽古場では密かに浮かれておりました。

